地心距離=3.863AU ,日心距離=3.227AU
<撮影データ>
2008 04/28 20h29m〜 露出6分の8画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8)
キヤノンEOS Kiss Digital X(SEO-SP2改造) 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀
D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾 撮影地:山梨県みずがき林道
バーストが確認されてから半年が経過し、さすがに拡散が進んで極めて微かな姿になってしまいました。一見すると何も写っていないような印象ですが、中央部で画像横幅の1/3ほどに広がったほのかに明るい部分が彗星像です。PCのモニターを明るめにしないと見えないかもしれません。彗星はぎょしゃ座にあり、薄明終了時の低空で観測し難いところに位置していることもあって、今回帰ではこれで撮り納めという感じです。
地心距離=3.052AU ,日心距離=3.008AU
<撮影データ>
2008 03/08 20h02m〜 露出7分の10画像をコンポジット AIAFズームニッコールED80〜200mmF2.8DN(200mm,F3.5)
ニコンD70改 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:山梨県棚沢今川線林道
前回の撮影から2ヵ月後の姿です。この晩は有名なカリフォルニア星雲のすぐ北に位置していて、両者のランデブーは絶好の被写体となりました。彗星の視直径はまだ大きく、この画像でわかるとおりカリフォルニア星雲の短径を超えていました。ただ光度の方は地球からも太陽からも3AUほど遠ざかったこともあって5等以下まで低下し、口径5cmの双眼鏡を使っても辛うじて存在がわかるレベルまで淡くなってしまいました。
地心距離=2.037AU ,日心距離=2.736AU
<撮影データ>
2008 01/05 22h37m〜 露出2.5分の18画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) キヤノンEOS Kiss Digital X
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県棚沢今川線林道
バーストから2ヶ月以上経過して、さすがに淡くなってきました。それでも辛うじて肉眼光度を保っており、太陽から2.5天文単位以上離れ、且つ地球から2天文単位以上の距離にあることを考慮すると、依然として驚異的な明るさであることに変りはありません。視直径の増大スピードは鈍った印象で、この光学系の写野にまだ収まっています。19世紀の発見時と同様な2度目のバーストがあるのかどうか注目されますが、あまり期待できないかもしれません。
地心距離=1.802AU ,日心距離=2.648AU
<撮影データ>
2007 12/15 26h32m〜 露出3分の12画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) キヤノンEOS Kiss Digital X
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県棚沢今川線林道
視直径がなんと約1度に達しました。拡散は進んでいるものの、まだ肉眼光度を保っており、空の暗い所では小さな雲のような感じに見えます。画像を見ると中央にある明るいスジ状部分が南南東に細く伸びて、丸く拡がったダストのコマからはみ出す勢いで、カブトガニのような姿になりつつあります。
地心距離=1.801AU ,日心距離=2.648AU
<撮影データ>
2007 12/15 23h52m〜 露出5分の10画像をコンポジット タムロンSPAF17-35mmF2.8-4DiLDアスフェリカル(24mm,F4)
ニコンD70改 感度ISO800 ビクセンGPガイドパック赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:山梨県棚沢今川線林道
再び広角レンズを使ってスナップ写真を撮ってみました。今回はIRCフィルタ換装改造カメラを用いたため、カリフォルニア星雲やハート星雲・胎児星雲等のHII領域まで写りました。彗星の見かけの大きさは左下に写っているすばるの半分ぐらいに達しているのがわかります。
地心距離=1.736AU ,日心距離=2.615AU
<撮影データ>
2007 12/08 01h06m〜 露出2分の12画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) キヤノンEOS Kiss Digital X
感度ISO1600 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県嵯峨塩裂石林道
前回の撮影から1週間後の姿です。形態変化はほとんどありませんが、視直径は確実に大きくなっているのがわかります。地球からの距離は日毎に大きくなっているので普通に考えれば小さくなっていくはずですが、まだ視直径が拡大しているということはダストの拡散が依然として続いているものと推測されます。全光度はまだ3等台中盤ほどで、肉眼では近くにあるペルセウス座二重星団よりも明るく感じられました。
地心距離=1.695AU ,日心距離=2.589AU
<撮影データ>
2007 12/01 21h44m〜 露出2分の12画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) キヤノンEOS Kiss Digital X
感度ISO1600 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県棚沢今川線林道
彗星の視直径はさらに大きくなり、満月の1.5倍以上に成長。その代り拡散が進み、市街地では双眼鏡や望遠鏡を使っても見難い状況になりました。それでも全光度は3等台をキープしており、空の暗い所では肉眼でアンドロメダ大銀河よりも明るい姿を確認することができました。バーストから1ヶ月以上経過してもまだ肉眼光度を保っているのは驚きです。
地心距離=1.633AU ,日心距離=2.529AU
<撮影データ>
2007 11/17 00h51m〜 露出4分の8画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) キヤノンEOS Kiss Digital X
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県一之瀬線林道
彗星の明るい部分の広がりが満月大を超えて、もはや長焦点望遠鏡を使った直焦点撮影ではフレームアウトしてしまうため、全体像を収めるには短焦点鏡で狙うしかなくなりました。一週間前は外周に緑色のコマの広がりがとらえられましたが、この日はそれが全く確認できなくなりました。ガス成分の拡散が速いことと彗星本体からの揮発性物質の放出が極端に低下してしまったことから見えなくなったものと推測されさます。
地心距離=1.630AU ,日心距離=2.524AU
<撮影データ>
2007 11/15 23h39m〜 露出4分の5画像をコンポジット タムロンSPAF28-75mmF2.8XRDiLDアスフェリカル(75mm,F4)
キヤノンEOS Kiss Digital X 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:山梨県棚沢今川線林道
下の画像を撮ったのと同じズームレンズで望遠端でも撮影してみました。この焦点距離になると彗星の丸い光芒の中にある明るくて細長い部分がはっきりとわかります。ちなみに彗星のすぐ上に写っているのがペルセウス座α(アルファ)星で、その辺りにごちゃごちゃと星が集まっているところはMel.20というカタログ番号を持つ疎らな散開星団です。
地心距離=1.630AU ,日心距離=2.524AU
<撮影データ>
2007 11/15 22h49m〜 露出3分の8画像をコンポジット タムロンSPAF28-75mmF2.8XRDiLDアスフェリカル(32mm,F4)
キヤノンEOS Kiss Digital X 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:山梨県棚沢今川線林道
この日はカメラレンズを使ってスナップ写真を撮ってみました。画像左寄りに写っている丸い光芒がホームズ彗星で、ペルセウス座α(アルファ)星のすぐ西に位置していていました。左上端には二重星団、中央若干上には有名な食変光星アルゴル、右下端にはすばるが写っており、各天体と彗星との位置関係がわかると思います。
地心距離=1.622AU ,日心距離=2.501AU
<撮影データ>
2007 11/09 23h37m〜 露出8分の8画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:新潟県津南町
再びイオンテイルを狙ってみたところ、この日は彗星本体の明るい部分から少し離れた所に青い光芒が写りました。イオンテイルがちぎれたような現象で、彗星の存在する惑星間空間における太陽風や磁場の状態によって引き起こされているのではないかとの指摘があります。また、ガス成分による青緑色のコマが薄くなったような感じですが、撮影時に薄雲がかかることもあったので、空の透明度が影響したのかもしれません。
地心距離=1.620AU ,日心距離=2.493AU
<撮影データ>
2007 11/07 23h34m〜 露出1分の10画像をコンポジット タカハシミューロン180反射+μコレクター(F9.8)
ニコンD80 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:東京都昭島市
大バースト発生から2週間が経過し、拡散が進んで輝度が低下してきました。それでも全光度は約3等で、街中でも肉眼で存在確認できる明るさを保っています。この晩は透明度が悪く、長焦点鏡での撮影では淡いイメージしか得られませんでしたが、望遠鏡による眼視イメージに近く、南東(右下)側のかすれた様子もかえってわかりやすくなったようです。視直径は20´ほどになり、この光学系の画角ではそろそろフレームアウトしそうです。
地心距離=1.621AU ,日心距離=2.477AU
<撮影データ>
2007 11/03 22h14m〜 露出8分の8画像をメトカーフコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県みずがき林道
月明の影響が少なくなってきたので、空の暗い所に出掛け、明るい光学系を使って長めの露出をかけてみました。中心部は露出オーバーで白く飛んでしまいましたが、外周部に大きく拡がった青緑色のコマと青いイオンの尾をとらえることができました。コマの視直径は満月のサイズを優に超えて約50´ほどになっており、地心距離から実直径を計算するとその拡がりは350万km以上と求まります。これは何と太陽直径(およそ140万km)の約2.5倍に相当します。尾は視線方向(頭部コマの向う側)に伸びているため短くしか写りませんが、放射状に複数本あるのがわかり、頭部も含めた全体像はまるでタコのようです。全光度は若干低下したものの約3等で、まだ明るく見えていました。また、恒星と違って面積を持った天体であることが肉眼でもわかるようになりました。このまま肥大化していくと眼視でも満月大で見えるようになるかもしれません。
地心距離=1.629AU ,日心距離=2.450AU (左)
地心距離=1.627AU ,日心距離=2.453AU (中)
地心距離=1.626AU ,日心距離=2.457AU (右)
<撮影データ>
2007 10/28 03h54m〜(左),2007 10/28 22h49m〜(中),2007 10/29 23h16m〜(右)
共通データ:露出15秒の20画像をコンポジット タカハシミューロン180反射+μコレクター(F9.8)
ニコンD80 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:東京都昭島市
※トリミングをしています。
長焦点望遠鏡による3夜連続の撮影で得られた画像を同一スケールで並べてみました。視直径が日毎に大きくなっていくのがわかります。地球からの距離はほとんど変っていませんので、接近による視直径増大ではなく、明らかに彗星核からの放出物質拡散に伴った肥大化であると言えます。画像から大雑把に見積ると、29日夜には視直径が10´近くになったようです。もっと明るい光学系で撮影したら、最外殻のイオン化したガス成分による緑色の広がりまで写ったはずですが、それも含めると月の視直径の半分ぐらいに達していたかもしれません。物質拡散に伴って輝度が徐々に低下していく様子もこの画像から窺えますが、空の透明度が日によって違うので、定量的には不正確な面があります。ちなみに肉眼で見た時の全光度はあまり変化していないように感じられました。なお、右端の29日撮影の彗星像を見ると南西(右下)側のエッジがかすれたように見えます。尾があれば、ちょうどその方向に伸びているはずなので、放出物質が太陽風によって吹き流されているのが見え始めているのかもしれません。
地心距離=1.629AU ,日心距離=2.450AU
<撮影データ>
2007 10/28 03h54m〜 露出15秒の20画像をコンポジット タカハシミューロン180反射+μコレクター(F9.8)
ニコンD80 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:東京都昭島市
下の画像を撮ったのと同じ日に、長焦点望遠鏡を使った撮影も行いました。拡大率が上がって、彗星核近傍の最光輝部が中心にはっきりと認められます。円形に広がった部分は数分角になっていて、その中に濃淡のあることもわかります。何やら反射望遠鏡の主鏡の出来映えをチェックするフーコーテスト像のようなイメージにも見えて面白いです。この模様は望遠鏡による低倍率観察でも意外とよくわかりました。
地心距離=1.629AU ,日心距離=2.450AU
<撮影データ>
2007 10/28 02h37m〜 露出8秒の20画像をコンポジット AIAFズームニッコールED80〜200mmF2.8DN(200mm,F4)
ニコンD80 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:東京都昭島市
※トリミングをしています。
これは下の画像を撮影したのと同じ望遠レンズを使い、露出条件を控え目にして得られた画像です。白く飛んでいたエリアに濃淡のあることがわかり、南西(右下)側に明るい部分が偏っているのも確認できます。全体像は惑星状星雲に似たイメージで、興味深いです。眼視では黄色っぽい色を呈して見えたことから、この円形の部分は彗星核より離脱したダスト成分が太陽光を反射して見えているものと考えられます。
地心距離=1.629AU ,日心距離=2.450AU
<撮影データ>
2007 10/28 02h20m〜 露出30秒の20画像をコンポジット AIAFズームニッコールED80〜200mmF2.8DN(200mm,F4)
ニコンD80 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:東京都昭島市
※トリミングをしています。
前回の撮影から3日後の姿です。彗星核から放出された物質が周囲に広がってきたらしく、面積を持った天体になりました。望遠鏡を使って覗くと明らかに恒星とは異なる姿に見え、星に分解しない球状星団のような印象でした。前回と同じ露出条件で撮影したところ中心部分が露出オーバーで白く飛んでしまいましたが、外周部が緑色に縁取られたようなイメージが得られました。これはイオン化した揮発性成分に由来するものとみられます。ただし、明るい彗星に付き物の尾は全く確認できません。
地心距離=1.635AU ,日心距離=2.439AU
<撮影データ>
2007 10/25 01h57m〜 露出30秒の12画像をコンポジット AiAFズームニッコールED80〜200mmF2.8DN(200mm,F4)
ニコンD80 感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:東京都昭島市
※トリミングをしています。
ホームズ彗星は太陽からかなり離れたところ(火星軌道の外側)を約7年で公転している小さな短周期彗星です。近日点距離は約2天文単位(すなわち太陽-地球間距離の2倍)と大きめなため、通常は明るくなっても14〜15等止まりですが、2007年10月24日頃に大アウトバーストを起こし、2日足らずの短時間で17等台から2等台へ急増光しました。バースト時の太陽からの距離が約2.4天文単位とかなりの遠方であることを考慮すると、このようなレベルの著しい増光は極めて異例なことです。この画像は肉眼光度に達して間もない時に撮影したもので、恒星とほとんど見分けがつかない姿で写っています。明るさは近くにある光度3.0等のペルセウス座δ(デルタ)星とほぼ同等で、この時点では彗星というより新星に近いイメージでした。