C核:地心距離=0.747AU ,日心距離=1.601AU
B核:地心距離=0.751AU ,日心距離=1.613AU
<撮影データ>
2006 03/03 02h51m〜 露出5分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:静岡県天城高原
※トリミングをしています。
周期5.4年の短周期彗星です。1930年に地球に大接近していたところで発見されました。それ以降は地球との位置関係が悪かったこともあり、しばらく行方不明となっていましたが、1979年にようやく再発見され、その後の回帰には1985年を除き毎回検出されています。1995年の回帰時には彗星核が分裂し、それに伴う大バーストにより予想外の明るさ(12等→6等)になったことで話題になりました。今回の回帰では2006年5月中旬に地球に大接近し、1930年の発見時と同じような最良の観測条件になることで注目されました。この画像は、いくつかある分裂核のうちの2つを同一写野にとらえたものです。左下の彗星らしい尾を伸ばしている方がC核(主核)、右上に小さく写っている方がB核で、これを撮影した時点での明るさはそれぞれ12等、14等と暗いですが、地球最接近時にはそれぞれ3等台、5等台まで明るくなると予想されました。
地心距離=0.322AU ,日心距離=1.267AU
<撮影データ>
2006 04/08 03h18m〜 露出5分の7画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県大志戸林道
※トリミングをしています。
前回の撮影から5週間経過した後の姿です。主核であるC核は光度約9等まで明るくなり、ダストの尾が太く写るようになりました。地球に急接近中であるため、4月中は1週間で約1等級の増光ペースが見込まれていて、もうすぐ小型双眼鏡でも楽に見えるようになるかという時期のワンショットです。
B核:地心距離=0.318AU ,日心距離=1.267AU
G核:地心距離=0.320AU ,日心距離=1.269AU
R核:地心距離=0.320AU ,日心距離=1.270AU
<撮影データ>
2006 04/09 03h03m〜 露出5分の7画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県大志戸林道
※トリミングをしています。
こちらは副核のB核とG核です。C核から3〜4度離れたところに位置していて、光度はそれぞれ約9等、約13等。両核ともバーストを起こし、予報光度よりも明るく写りました。特にB核の急増光が顕著で、主核のC核とほぼ同等かそれ以上の明るさに達しました。彗星特有の青色のコマも広がっているようです。B核とG核を結んで右上方向に延長したところにはR核と思われる微かなイメージも確認できます。
地心距離=0.197AU ,日心距離=1.151AU
<撮影データ>
2006 04/22 00h24m〜 露出5分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県大志戸林道
地球との距離が0.2天文単位を切り、視直径が大きくなってきました。主核のC核は約8等。この日はかんむり座の2等星アルフェッカのすぐ北に位置しており、天の川が見えるような空の暗い所では口径5cmの双眼鏡で楽に見つかる状況でした。この画像では、これまではあまりはっきりしなかった青色のコマが写っているのがわかります。年初の予想によると既に6等台になっていたはずなのですが、そこまでの増光には至っていなかったのが残念。
B核:地心距離=0.203AU ,日心距離=1.158AU
G核:地心距離=0.205AU ,日心距離=1.160AU
R核:地心距離=0.206AU ,日心距離=1.161AU
<撮影データ>
2006 04/22 01h47m〜 露出5分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県大志戸林道
4月後半ともなると、副核のB核とG核も大きく写るようになりました。この日の光度はそれぞれ約9等、12等。B核は芯が細長く写っており、光度もやや低下したことから新たな分裂や崩壊が進行していると予想されました。G核も分裂したとの噂が出ていたのも同じ時期でした。前回の撮影でとらえたR核も写っていますが、依然として微かなイメージでした。
B核:地心距離=0.148AU ,日心距離=1.105AU
G核:地心距離=0.150AU ,日心距離=1.107AU
R核:地心距離=0.150AU ,日心距離=1.108AU
<撮影データ>
2006 04/28 23h24m〜 露出5分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:長野県小海町
再び3つの核が並んでいるエリアを狙ってみました。B核は2度目のバーストを起こしたようで、また明るく写りました。頭部の青いコマの広がりも顕著で、左下方向には直線状に伸びるイオンテイルも確認できます。一方、G核は暗くなってしまったようです。R核は集光が強くなり、はっきりしたイメージになりました。
地心距離=0.140AU ,日心距離=1.097AU
<撮影データ>
2006 04/30 01h58m〜 露出5分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県焼山沢真木林道
B核はやはり再分裂を起こしていたようで、バーストはそれに伴うものでした。前回のバースト時よりも地球に近い位置にあるせいか、頭部の青色のコマが大きく広がっているのが印象的です。変化が激しいので、プロ・アマチュアを問わず、最注目核になりました。
地心距離=0.135AU ,日心距離=1.090AU
<撮影データ>
2006 04/30 03h01m〜 露出5分の8画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県焼山沢真木林道
4月末のC核です。こちらは特に大きな変化はありませんでしたが、地球接近とともに視直径が大きくなり、尾も広がって写るようになりました。当初予想では既に肉眼光度になっているはずでしたが、残念ながら光度上昇は鈍ってしまったようで、約7等と暗めでした。存在確認には双眼鏡が必要でしたが、尾は0.5度ほど伸びているのが見えました。
G核:地心距離=0.120AU ,日心距離=1.078AU
R核:地心距離=0.121AU ,日心距離=1.079AU
BN核:地心距離=0.120AU ,日心距離=1.079AU
N核:地心距離=0.122AU ,日心距離=1.080AU
H核:地心距離=0.121AU ,日心距離=1.079AU
<撮影データ>
2006 05/02 23h57m〜 露出5分の8画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県みずがき林道
※下の3画像は上の画像を部分拡大したものです。
この日は趣向を変えて、マイナーな副核を狙ってみました。まずはG核から西に並ぶ副核群で、全部で5個の個体が写りました。左端のG核は衰退気味ですが、ほぼ中央に写っているR核は明るくなると同時に尾が伸び始めました。R核の右上で恒星状に写っているものは撮影時点では符号がついていませんでしたが、その後BN核として発表されました。G核とR核を結んで右上に延長した先には、微かですがN核とH核が並んで写っているのがわかります。G核,R核以外は光度が14等以下と暗くて単独画像ではほとんど写っているのかどうかわからない状況でしたが、どの核もほぼ同じ方向に運動しており、複数の画像をその動きに合わせてコンポジット(メトカーフコンポジットと呼びます)すると浮かび上がりました。
BC核:地心距離=0.115AU ,日心距離=1.068AU
AP核:地心距離=0.115AU ,日心距離=1.068AU
<撮影データ>
2006 05/02 25h08m〜 露出5分の5画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:山梨県みずがき林道
※トリミングをしています。
こちらはC核から東南東へ約2.5度離れたところに並んだBC核(左)とAP核(右)で、主核のC核よりも軌道上を先行している副核になります。どちらも光度は14〜15等ほどと写真でしか存在が確認できないレベルの破片ですが、よく見ると立派に尾を伸ばしているのがわかります。
C核:地心距離=0.109AU ,日心距離=1.064AU
B核:地心距離=0.112AU ,日心距離=1.070AU
<撮影データ>
2006 05/03 23h22m〜 露出4分の6画像をコンポジット Aiニッコール85mmF2S(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 ビクセンGPガイドパック赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:長野県小海町
明るい2つの核を中望遠レンズで同一写野にとらえてみました。2ヶ月前の3月上旬には500mmの焦点距離でも画角内に2つを収めることができましたが、地球に接近するとともに離れていき、これを撮影した日には両者の離角が10度以上にも広がっていました。左側のC核はダストの尾が目立つせいか白っぽいですが、右側のB核は再バーストの直後だったこともあって揮発性成分に由来する青色のコマが特徴的で、両者は対照的な色で写りました。
地心距離=0.112AU ,日心距離=1.070AU
<撮影データ>
2006 05/03 24h27m〜 露出5分 タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改 感度ISO800
タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:長野県小海町
この日のB核は北天最大の球状星団であるヘルクレス座のM13に接近していました。これはそのツーショット画像です。M13は光度5.7等で肉眼でも見えましたが、B核は約8等で双眼鏡を使わないと存在確認することができませんでした。
地心距離=0.111AU ,日心距離=1.070AU
<撮影データ>
2006 05/03 25h22m〜 露出5分の7画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:長野県小海町
* 星ナビ 2006年8月号 入選作 *
* 星ナビ 2006年12月号特別付録 星空カレンダー2007 掲載 *
B核を単独でとらえた画像です。再バーストから数日が経過しましたが、画像を見る限り頭部の青色のコマはさらに拡大したような印象で、どうも新たなバーストが起こったようです。イオンテイルも健在で、右下に直線状に伸びるスジが見られます。頭部の中心付近は白飛びしていますが、途中が僅かにくびれているようにも見えます。もっと焦点距離の長い鏡筒で撮影していたら、B核からの再分裂核として符号の付いたAQ核をとらえられたかもしれません。
地心距離=0.135AU ,日心距離=1.090AU
<撮影データ>
2006 05/05 00h44m〜 露出4分の8画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:長野県小海町
* 天文ガイド 2006年8月号 入選作 *
5月初旬のC核です。地球最接近の日まで10日を切り、500mmの画角で納まりのよい視直径になりました。相変わらずダストの尾が目立ち、ほうき星らしい姿をしていました。光度は6等台に突入し、好条件の場所では肉眼で確認できたとの報告が出てきたのはこの頃でした。
G核:地心距離=0.105AU ,日心距離=1.064AU
R核:地心距離=0.106AU ,日心距離=1.065AU
BN核:地心距離=0.106AU ,日心距離=1.065AU
H核:地心距離=0.106AU ,日心距離=1.065AU
BP核:地心距離=0.106AU ,日心距離=1.065AU
<撮影データ>
2006 05/05 01h40m〜 露出5分の8画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀 D90mmガイド鏡(f1200mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
撮影地:長野県小海町
※下の3画像は上の画像を部分拡大したものです。
G核とその西に連なる副核群を再び狙ってみました。中央に写っているR核の変化が顕著で、細長い尾が写るようになりました。前回の撮影でとらえられたN核は恒星像と重なってしまったのか、判然としませんでした。H核ははっきり写っており、その右斜め上方には新たに符号付きの副核として登録されたBP核が極めて微かに写っています。
地心距離=0.086AU ,日心距離=0.976AU
<撮影データ>
2006 05/21 02h26m〜 露出1分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 撮影地:静岡県表富士五合目
地球最接近後のB核の姿です。5月8日頃に起こった新たなバーストにより5等台まで急増光したとの報告がありましたが、その後は徐々に減光していったようで、この日の光度は7等台まで低下していました。頭部コマの明るい部分が細長く写っているのが特徴的です。この後、夜明け前の東天で高度が日毎に下がり、観望が厳しくなっていきました。
地心距離=0.106AU ,日心距離=0.973AU
<撮影データ>
2006 05/21 02h49m〜 露出1分の10画像をコンポジット タカハシε-180ED(F2.8) ニコンD70改
感度ISO800 タカハシEM-200赤道儀恒星時追尾 撮影地:静岡県表富士五合目
地球最接近後のC核です。B核とは違って特に急激な光度変化を示さないまま地球から遠ざかっていきました。それでもこの前後1週間ほどで頭部から太陽方向へ尾が伸びたかのような形態変化が観測され、この画像でもコマ中心から北東(左上)方向へ微かな広がりが認められます。