
地心距離=1.002AU ,日心距離=0.910AU
<撮影データ>
2000 06/30 26h38m〜 露出15分 ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4) キヤノンEF
タカハシEM-200赤道儀 D65mmガイド鏡(f1300mm)+オートガイダーVSTにて自動追尾
フジカラーSUPERIA400 撮影地:静岡県富士山須走口五合目
リンカーン研究所のLINEARサーベイにより1999年9月27日撮影のCCD画像から発見された彗星です。軌道計算の結果、近日点通過は2000年7月下旬で、その際に太陽と地球に1天文単位以内まで接近して3等級ほどの明るさになると期待されました。ところが5月末に10等台、6月中旬でも9等台と増光のペースは上がらず、肉眼彗星になるかどうか微妙な状況になりました。彗星研究者の間で、この彗星は初めて太陽系中心部にやってきたもので、あまり明るくならないと予想され始めたのはその頃でした。この画像は近日点通過の約1ヶ月前に撮影したもので、ペルセウス座の散開星団M34に接近しているところを捉えたものです。この時、彗星の全光度は約8等で、ダストの尾が0.5度ほど伸びていました。
地心距離=0.502AU ,日心距離=0.770AU
<撮影データ>
2000 07/30 20h29m〜 露出5分 ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4) キヤノンEF
タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジカラーSUPERIA400 撮影地:新潟県大島村菖蒲高原
※焦点距離1500mm相当の画角にトリミングしています。
7月に入っても彗星の増光は緩やかで、尾も大きく成長することはありませんでした。それでも地球最接近となった7月22〜23日には約6等まで明るくなり、あまり目立っていなかったイオンの尾が伸びている姿も撮影され、近日点通過後に大化けする可能性もあると期待されました。ところが近日点を通過した7月26日以降は減光に転じ、透明度の悪い宵の西空に移動したこともあって観測しづらい状況になりました。その頃から彗星核が細長く伸びたような姿が世界各地の天文台で観測されるようになり、核が複数に分裂したのではないかと指摘され始めました。この画像は近日点通過から4日後に撮影したものですが、明るく輝くはずの彗星核がはっきりとは確認できず、一様な明るさで拡散した細長いイメージに写っています。8月5日にはハッブル宇宙望遠鏡により、予想された通り彗星核が分裂して粉々になっている様子が捉えられ、翌日にはチリのヨーロッパ南天天文台のVLTなど地上にある大望遠鏡でも、核が少なくとも十数個の破片に砕け散っている姿が撮影されました。その後は全く見えなくなってしまったので、木端微塵になって最終的には消滅したと考えられています。核が十分に大きい彗星の場合、その分裂は蒸発成分の増加を促し、尾を大きく成長させる引き金となるケースが多いのですが、この彗星は元々小振りだったらしく、核の分裂がそのまま崩壊につながってしまったとは、なんとも皮肉なものです。