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池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 2/20

地心距離=1.307AU ,日心距離=0.792AU

<撮影データ>
2002 02/20 18h31m〜 露出4.5分の8画像をコンポジット ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4)
キャノンEF タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジカラーSUPERIAズームマスター800
撮影地:山梨県棚沢今川線林道 ※彗星部分をトリミングしています。

 2002年2月1日に静岡県の池谷氏と中国の張氏によって発見された彗星です。軌道計算の結果、近日点距離が約0.5天文単位と比較的小さいため明るくなることが期待され、3月中旬〜下旬に最大で4等級になるとの予想が出されました。この画像の撮影時における彗星の光度は6等台で、7×50のファインダーでも確認可能な明るさでした。20cm反射望遠鏡による眼視イメージでは尾はほとんど見えませんでしたが、写真では0.5度ほどの細長いイオンテイルが写っています。この彗星は当初、1532年に出現記録のある彗星の再来かとの指摘がありましたが、その後の追跡観測により軌道計算の精度が上がり、結局17世紀にドイツの天文学者ヘベリウス(やまねこ座やりょうけん座などの小星座を新設した人物)が発見した1661 C1彗星の340年ぶりの回帰であることが判明。周期彗星として153Pの番号が与えられました。番号登録された彗星としては最長周期の彗星で、次回の近日点通過は2362年9月頃とはじき出されています。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 3/8

地心距離=1.025AU ,日心距離=0.566AU

<撮影データ>
2002 03/08 19h05m〜 露出4.5分 ペンタックス100SDUF屈折(F4) ニコンNewFM2
タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジカラーSUPERIAズームマスター800
撮影地:山梨県棚沢今川線林道

 近日点通過の10日前の姿です。2月の姿と比べると尾がかなり発達して、ほうき星らしいイメージになってきました。イオンの尾は淡い部分まで含めると2度以上は伸びているようです。口径3cmの双眼鏡でも、頭部が細長く伸びているのがわかりました。核近傍は依然として集光が強く、光度は4等台半ばに到達。ただし、低空に位置していたため、肉眼で確認することはできませんでした。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 3/15

地心距離=0.887AU ,日心距離=0.514AU

<撮影データ>
2002 03/15 19h05m〜 露出4.5分 NewFD300mmF4L(F4) キャノンEF
タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジカラーSUPERIAズームマスター800
撮影地:長野県川上村梓山

 前回の撮影から1週間後の姿です。光害の影響が少ない場所で撮影したため、尾は非常に淡い部分まで写りました。イオンの尾は5度以上認められます。全光度は3等台に入ったようで、肉眼で容易に見えました。口径5cmの双眼鏡では3度ほどの長さの尾が確認でき、大彗星の貫禄が出てきたような気がします。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 3/16

地心距離=0.867AU ,日心距離=0.511AU

<撮影データ>
2002 03/16 19h10m〜 露出4.5分 ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4) キャノンEF
タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジカラーSUPERIAズームマスター800
撮影地:長野県川上村梓山

 この日は前日に強風のため断念した望遠鏡直焦点による撮影を敢行し、頭部付近を狙ってみました。彗星核から放出される物質流のスジが数本認められます。尾は緩やかな曲線を描いているようです。撮影前に眼視で観望したところ、コマ部分が青く染まっているように見えました。空の透明度はあまりよくありませんでしたが、非常に明るく輝く核が印象的でした。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 3/30

地心距離=0.621AU ,日心距離=0.575AU

<撮影データ>
2002 03/30 19h23m〜 露出3分 Aiニッコール105mmF2.5S(F2.8) ニコンNewFM2
ビクセンGPガイドパック赤道儀にて恒星時追尾 フジクロームTREBI400
撮影地:長野県川上村梓山

 3月も下旬となると日の入り時刻が遅くなるため、彗星の見られる時間帯が短くなってきました。個人的にはこの日が夕方の西空における見納めでした。彗星のすぐ右に見える恒星は光度2.1等のアンドロメダ座β星で、眼視イメージの彗星はそれよりも暗いとはいえ、緩やかに曲がったダストの尾が双眼鏡でよく見え、まだ大彗星の貫禄十分という感じでした。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 4/13

地心距離=0.474AU ,日心距離=0.763AU

<撮影データ>
2002 04/13 03h42m〜 露出10分 ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4) キャノンEF
タカハシEM-200赤道儀 D65mmガイド鏡(f1300mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
フジカラーSUPERIAズームマスター800 撮影地:長野県野辺山高原

 4月に入ってから夜明け前の北東天に姿を現し始め、徐々に高度を上げてきました。近日点通過から1ヶ月近く経ちましたが、光度はさほど低下せず、3等台をキープ。地球に接近中のため頭部コマは大きく見えるようになり、尾も見掛け上長くなりました。ダストテイルよりもイオンテイルの方が目立ち、3月中下旬の頃とはイメージが変わっています。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 4/14

地心距離=0.466AU ,日心距離=0.780AU

<撮影データ>
2002 04/14 03h53m〜 露出10分 Aiニッコール105mmF2.5S(F2.8) ニコンNewFM2
タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジクロームTREBI400
撮影地:山梨県一ノ瀬線林道

 この日の彗星はカシオペヤ座とケフェウス座の境界付近に位置し、天の川の真っ只中に入っていました。春霞と黄砂の影響で空の透明度が悪かったため、尾の先の方の写りが良くありませんが、イオンテイルは10度近くまで伸びていたようです。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 5/1

地心距離=0.406AU ,日心距離=1.079AU

<撮影データ>
2002 05/01 23h10m〜 露出7.5分の4画像をコンポジット ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4)
キャノンEF タカハシEM-200赤道儀にて恒星時追尾 フジクロームTREBI400
撮影地:新潟県津南町 ※彗星部分をトリミングしています。

 4月末に地球最接近を迎えましたが、日心距離は1天文単位を超えて活動が衰えたせいか、尾は淡くて短いイオンテイルしか捉えられなくなりました。それでも肉眼光度を保っており、小型双眼鏡での眼視イメージは巨大な球状星団という感じでした。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 5/3

地心距離=0.407AU ,日心距離=1.096AU

<撮影データ>
2002 05/03 00h02m〜 露出7.5分の5画像をコンポジット ビクセンR200SS反射+コマコレクター(F4)
キャノンEF タカハシEM-200赤道儀 D65mmガイド鏡(f1300mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
アグファVista400 撮影地:長野県小海町

 存在自体はまだ肉眼でわかりましたが、尾はさらに淡くなって、双眼鏡では見難い状況になってしまいました。頭部コマは依然として大きく、写真では20分程度の広がりを確認できます。



池谷・張彗星

池谷・張彗星 (153P) 5/12

地心距離=0.451AU ,日心距離=1.264AU

<撮影データ>
2002 05/12 23h55m〜 露出10分の2画像をコンポジット ペンタックス100SDUF屈折(F4) ニコンNewFM2
タカハシEM-200赤道儀 D65mmガイド鏡(f1300mm)+オートガイダーVSTにて恒星追尾
アグファVista400 撮影地:長野県乗鞍高原 ※彗星部分をトリミングしています。

 この日は透明度の高い条件下で短焦点鏡を用いて撮影したせいか、思いのほか尾が良く写ってくれました。よく見るとコマの右側にダストテイルによるものと思われる非常に淡い広がりが認められます。光度低下は緩やかなようで、まだ肉眼で見えていました。