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我流天体画像処理の実際 ☆
これまでの試行錯誤で良好な結果が得られた画像処理について紹介していくコーナーです。今回はニコンのデジタル一眼レフカメラD70で長時間露出した際に部分的に発生する赤カブリを、複数の同一対象画像に対して効率良く除去する画像処理方法について紹介します。
<第4回 NR−ON/OFF2種類の画像を使って熱源近くの赤カブリを除去する(Photoshop使用)>
下に示した画像はD70を使ってペンタックス100SDUF直焦点で撮影した「すばる」の画像です。露出時間は5分。
ノイズリダクション(NR)機能をOFFにして得た左画像ではアンプ熱源に近い左上部分にいわゆる「赤カブリ」が発生しているのがわかります。
一方、NR−ONで撮影すると右の画像のように赤カブリは消えますが、いわゆるダーク画像を取得するために総露出時間が2倍かかります。
NRの効果は大きいとはいえ、コンポジットを目的として同一対象を複数コマ撮影する際には、総露出時間が倍加されるのはかなり辛いです。
NR−OFFで撮った画像 | NR−ONで撮った画像 |
そこでNR−ONの撮影は1コマだけにして、残りのコマはNR−OFFで撮って後の画像処理で赤カブリを除去する方法を考えてみました。 処理前 処理後
なお、ここでは同じ天体の同一構図・同一露出時間の複数画像(NR−ON×1、NR−OFF×2以上)を用意することを前提に話を進めます。
まず、PhotoshopでNR−ONとNR−OFFの各1画像をロードします。
次にNR−OFF画像のウィンドウを選択した後、[イメージ]→[画像操作]を選びます。
ダイアログボックスが表示されたら「元の画像」にNR−ON画像を設定、「描画モード」は「減算」を選択します。
ここで「不透明度」の数値を100%にしてNR−ON画像をそのまま引き算しますと、写っていた星が消えて赤カブリのみが残ります。
ただし、撮影時の追尾状況等により両コマ間で相対的なフレームズレが生じている場合には星像の消え残りが発生しますので、
そのような時には一旦処理を中断して、[フィルタ]→[その他]→[スクロール]等の処理でズレを修正してから再計算します。
どうしても消え残りが出る場合はバックグラウンドの部分コピー&貼り付けなどで対応しましょう。
得られた「赤カブリ画像」は念のため名前を付けて保存しておきます。
次いでNR−OFF画像を再びロードし、そのウィンドウを選択した後、[イメージ]→[画像操作]を選びます。
ダイアログボックスが表示されたら「元の画像」に「赤カブリ画像」を設定、「描画モード」は「減算」を選び、「不透明度」の数値を100%にします。
すると赤カブリがきれいに除去された画像が浮かび上がってきます。
処理前 | 処理後 |
下の画像は同じ「赤カブリ画像」を使って別のNR−OFF画像を処理したものですが、概ね除去できていることがわかります。 処理前 処理後
したがって、NR−OFFの複数画像各々について専用の「赤カブリ画像」を作らなくても実用上は問題ないとみられます。
画像によってはこの処理でダークスポットやホットスポットと呼ばれる暗点や輝点が発生することもありますが、
コンポジットすれば平均化されて目立たなくなりますので、その辺はある程度割り切って考えましょう。
5分露出で4コマのコンポジットを考えた場合、全てNR−ONで撮影すると総露出時間は5×2×4=40分となりますが、
この画像処理方法を使うことを念頭におけば、総露出時間は5×2×1+5×3=25分と概ね半分程度で済んでしまいます。
余裕ができた分でさらにコマ数を稼いだり、別な対象の撮影時間に振り向けたりできるので、最終的な画質や撮影効率の向上につながります。
最終的に得られた4コマコンポジット画像 |
※注意 : 撮影間隔が極端に開きますと撮像素子の温度が変化し、単一の「赤カブリ画像」では処理がうまくいかなくなることがあります。